
Table of Content |
Stats |
Skills |
Skill Ascension |
Related Items |
Gallery |
Sounds |
Quotes |
Stories |
Stats
Lv | HP | Atk | Def | CritRate% | CritDMG% | Bonus CritDMG% | Materials | Total Materials |
1 | 972 | 27.37 | 62.94 | 5.0% | 50.0% | 0% | ||
20 | 2522 | 71.0 | 163.27 | 5.0% | 50.0% | 0% | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
20+ | 3356 | 94.47 | 217.24 | 5.0% | 50.0% | 0% | ||
40 | 5022 | 141.36 | 325.06 | 5.0% | 50.0% | 0% | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
40+ | 5614 | 158.03 | 363.4 | 5.0% | 50.0% | 9.6% | ||
50 | 6459 | 181.81 | 418.1 | 5.0% | 50.0% | 9.6% | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
50+ | 7249 | 204.05 | 469.22 | 5.0% | 50.0% | 19.2% | ||
60 | 8103 | 228.08 | 524.49 | 5.0% | 50.0% | 19.2% | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
60+ | 8695 | 244.75 | 562.83 | 5.0% | 50.0% | 19.2% | ||
70 | 9557 | 269.0 | 618.6 | 5.0% | 50.0% | 19.2% | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
70+ | 10149 | 285.68 | 656.94 | 5.0% | 50.0% | 28.8% | ||
80 | 11020 | 310.2 | 713.34 | 5.0% | 50.0% | 28.8% | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
80+ | 11613 | 326.88 | 751.68 | 5.0% | 50.0% | 38.4% | ||
90 | 12491 | 351.59 | 808.52 | 5.0% | 50.0% | 38.4% | ||
90+ | 12491 | 351.59 | 808.52 | 5.0% | 50.0% | 38.4% | ||
100 | 13379 | 430.7 | 865.98 | 5.0% | 50.0% | 38.4% |
Skills
Active Skils
![]() | 聖護の魔槍 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
槍による最大5段の連続攻撃を行う。 一定のスタミナを消費し、前方へ槍投げ攻撃を行う。 空中から落下し地面に衝撃を与える。経路上の敵を攻撃し、落下時に範囲ダメージを与える。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() | 古律・孤灯の秘密 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ランプに宿る古の力を呼び起こし、 ・フリンズの通常攻撃と重撃が、元素付与によって他の元素に変化しない ・フリンズの中断耐性をアップする。 ・元素スキル 前方に槍陣を生成し、 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() | 旧儀・夜の賓客 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ランプに宿る真の力を解放し、 特殊元素スキル より少ない元素エネルギーで発動できる特殊な元素爆発。月感電反応ダメージと見なされる | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Passive Skills
![]() | 月兆の祝福・旧世の秘奥 |
チーム内のキャラクターが感電反応を起こすと、感電反応は月感電反応へと変わり、フリンズの攻撃力に基づいて、月感電反応の基礎ダメージがアップする。攻撃力100につき、基礎ダメージ+0.7%。この方法でアップできるダメージは最大14%まで。 また、フリンズがチームにいる時、チームの |
![]() | 厳冬の響き |
フリンズはチームの |
![]() | 幽炎の囁き |
フリンズの元素熟知が、フリンズの攻撃力の8%分アップする。この方法でアップできるフリンズの元素熟知は、最大160まで。 |
![]() | 照夜の灯り |
ミニマップで周囲の フリンズはワイルドハントの囁きを理解できるようだ… |
Constellations
![]() | 雪影の幕をひらく時 |
特殊元素スキル また、チーム内キャラクターが月感電反応を起こすと、フリンズの元素エネルギーを8回復する。この効果は5.5秒毎に1回のみ発動可能。 |
![]() | 邪悪の壁を超える者 |
特殊元素スキル |
![]() | 闇に訪う見知らぬ客 |
元素爆発{LINK#S11205} 最大Lv.15まで。 |
![]() | 咆哮する荒れ山の夜 |
フリンズの攻撃力+20%。 また、固有天賦{LINK#P1202201} |
![]() | 俗世から遠ざかる影 |
元素スキル{LINK#S11202} 最大Lv.15まで。 |
![]() | 歌と死の舞踏 |
フリンズが敵に与える月感電反応ダメージが35% |
Skill Ascension
Gallery
Sounds
Quotes
Audio Language:
Title | VoiceOver |
初めまして… | |
世間話・忍耐 | |
世間話・ワイルドハント | |
世間話・亡霊 | |
雨の日… | |
雷の日… | |
雪の日… | |
暴風の日… | |
砂漠にいる時… | |
おはよう… | |
こんにちは… | |
こんばんは… | |
おやすみ… | |
フリンズ自身について・美徳 | |
フリンズ自身について・ライトキーパー | * 好感度Lv.4後に解放 |
同行について… | |
フェイと人間について… | * 好感度Lv.6後に解放 |
「月の輪」について… | * 好感度Lv.4後に解放 |
シェアしたいこと… | |
興味のあること… | |
ラウマについて… | * 好感度Lv.4後に解放 |
イルーガについて… | * 好感度Lv.4後に解放 |
アイノについて… | * 好感度Lv.4後に解放 |
ファルカについて… | * 好感度Lv.4後に解放 |
ネフェルについて… | * 好感度Lv.4後に解放 |
ヤフォダについて… | * 好感度Lv.4後に解放 |
「女皇」について… | * 好感度Lv.4後に解放 |
フリンズを知る・1 | |
フリンズを知る・2 | * 好感度Lv.3後に解放 |
フリンズを知る・3 | * 好感度Lv.4後に解放 |
フリンズを知る・4 | * 好感度Lv.5後に解放 |
フリンズを知る・5 | * 好感度Lv.6後に解放 |
フリンズの趣味… | |
フリンズの悩み… | |
好きな食べ物… | |
嫌いな食べ物… | |
贈り物を受け取る・1 | |
贈り物を受け取る・2 | |
贈り物を受け取る・3 | |
誕生日… | |
突破した感想・起 | * 突破段階「1」で解放 |
突破した感想・承 | * 突破段階「2」で解放 |
突破した感想・転 | * 突破段階「4」で解放 |
突破した感想・結 | * 突破段階「6」で解放 |
元素スキル・1 | |
元素スキル・2 | |
元素スキル・3 | |
元素爆発・1 | |
元素爆発・2 | |
元素爆発・3 | |
元素爆発・4 | |
元素爆発・5 | |
元素爆発・6 | |
宝箱を開ける・1 | |
宝箱を開ける・2 | |
宝箱を開ける・3 | |
HP低下・1 | |
HP低下・2 | |
HP低下・3 | |
仲間HP低下・1 | |
仲間HP低下・2 | |
戦闘不能・1 | |
戦闘不能・2 | |
戦闘不能・3 | |
ダメージを受ける・1 | |
重ダメージを受ける・1 | |
重ダメージを受ける・2 | |
チーム加入・1 | |
チーム加入・2 | |
チーム加入・3 |
Stories
Title | Text |
キャラクター詳細 | ナド・クライの中南部には、孤独と哀しみの雰囲気を漂わせていることから「夜明かしの墓」と呼ばれる小島がある。訪れる者はほとんどなく、稀にキャラバンが遠回りして通る程度だ。島には寂れた灯台がひっそりと佇んでおり、古くからの言い伝えでは、そこに宿るのは死者の魂だけだという。 死の静寂に包まれたその地に、ただ一人、生者がいる。「キリル・チュードミロヴィッチ・フリンズ。『ライトキーパー』の一人です」と、彼はそう自己紹介した。彼が所属する小隊は数年前、アビスの魔物を退けたことで、市民から勲章を贈られたことがあった。 当時、勲章を贈るという制度は存在しなかったが、人々は示し合わせたかのようにそうして感謝を伝えたのだ。ずっしりとした勲章は古くも趣のある箱に入れられ、彼の手元へと届けられた。 栄誉あることのように聞こえるが、フリンズはこう思う——あの作戦の死傷者数を考えると、たとえあと勲章を十個受け取っても釣り合わないだろうと。小隊には七、八人が所属していたらしいが、今はフリンズだけが生き残り、灯台一帯の墓地を見張っている。 公務での外出や、月に一、二度の買い出しを除けば、フリンズが町に姿を現すことはほとんどない。だがそれでも、町の人々の記憶から彼が消えることはなかった。彼はその見た目とは裏腹に話術に長けていた。地味で無骨な深色の服も、その品のある語り口によって印象深いものとなった。人々が彼に関心を寄せるのも不思議ではない——予期せぬ人物や出来事ほど、心を惹きつけるものなのだから。 町の人々が彼に声をかけるとき、大抵が好奇心から始まり、礼節をもって終わる。フリンズの過去に興味を抱く老若男女は、さまざまな口実を設けて集まりに誘い、ライトキーパーの古い逸話を語ってほしいと頼んだ。彼の語りは実に巧みで、物語の中で悔恨に満ちた場面に触れるとその目を伏せながら言葉を紡ぐ。その瞬間、聞き手は深い感傷に包まれ、同時に彼の心の傷に触れることをためらった。 人々は、フリンズが時折見せる悲しみに畏敬の念を抱く。だがその悲しみは、彼と人々の間に横たわる隔たりの表れでもあった。語り手を守る壁は、聞き手の罪悪感によって築かれているのだ。誰かが同情を示せば、その物語には意味が宿り、人々はやがて「彼の悲しみを癒すには時間と場所が必要なのだ」と自然と思い込む。礼儀があろうと思いやりがあろうと、善良な人の傷に触れることは許されない——そう感じさせるのだった。 身近にいる善人を嫌う者などいない。そして彼は、空気が読めて思いやりのある人に好感を抱く。人々が、彼が繰り返し語る英雄譚を好むように。別の視点から見れば、互いを善人と認め合うこともまた、優れた社交術なのだろう。素晴らしい英雄譚はいつも輝きを放ち、その背後に潜むあらゆる謎を見事に覆い隠すのだ。 |
キャラクターストーリー1 | フリンズの語る物語は数えきれないほどあるが、彼自身は決して物語好きというわけではない。その姿は、彼が堅持する社会的立場からすればむしろ対極にあり、矛盾をはらんでいる。物語は人の好奇心を呼び覚ますが、彼はそうした好奇心旺盛な訪問者に多くの時間を割くことを好まない。ただ幸いにも、彼には柔軟性があり、現実との齟齬に苦しむことはなかった。 古びた灯台の扉は、霧の深い朝によく叩かれる。フリンズは、あたかも今しがた目を覚ましたかのように振る舞う。訪れる者の可能性はさまざまだが、まったく予想がつかないわけではない——孤島の訪問者などごく稀であり、ここへ足を運ぶのは、強い意志を持つ者か何らかの目的を抱く者、あるいは面倒を厭わない者くらいである。 この限られた訪問者の中で、フリンズの脳裏にすぐ浮かんだのは次の面々だ——「霜月の子」の聖女ラウマ。数週間前、饗月の膳を携えて布教に訪れたが、フリンズは家での食事を好まないうえ、信仰を築く余裕もないと幾度も断った。それにもかかわらず、彼女は二十分ものあいだ粘り強く説得を続けた。「秘聞の館」の店主の部下ヤフォダ。こざっぱりとした身なりの少女で、この島で道に迷ったという理由で訪ねてきた。「聡明」そうな彼女は、崖から転落しそうになったときにフリンズが密かに助けたことすら気づいていなかった。自己紹介で職業を明かさないものの、多くの者に騎士と噂されるファルカ。「観光客」と称して島を訪れ、周囲の魔物との交戦で荷物を散乱させた際、灯台で物資を借り受け、その後小船できちんと返しに来た。「ライトキーパー」の同僚イルーガ。正義感あふれる好青年であり、ライトキーパー本部から離れた孤島で暮らすフリンズが知らない間に命を落としていないかと案じ、定期的に物資や書類を届けに足を運んでいる。 フリンズが扉を開けると、灯台の前には見知らぬ冒険者が立っていた。よく見ると、それは昨日フリンズが雑貨屋で奇妙な宝石を買ったときの売り手だった。商談の折、相手は値段を吊り上げようと、少なくとも十分の間は巧みに作り話を並べ立てたが、相手が悪い。宝石の収集においても物語の創作においても、フリンズは一流であった。結局、取引は市場価格の一割増しで落ち着いた。ただ、売り手はどこか後ろめたそうに、宝石に相応しい箱を用意して見栄えよく届けたいと申し出たのである。 訪問者はどこか緊張を帯び、しばらく口をつぐんだ後、ようやく言葉を吐き出した。「雑貨店の主人から伺いました…あなたが長年、宝石や古銭を熱心に買い集めておられると。そこで、どうしても正直にお伝えしなければならないことがあります。このような高価な宝石を私一人の力で手に入れるのは難しいことであると、既にお察しでしょう…家に残る記録によれば、この宝石はかつて先祖が貴族から拝領したもので、極めて希少な品なのです。もし生活に困窮していなければ、決して手放すことなどなかったでしょう。だからこそ、こうして売ってしまうのがどうにも惜しいのです…」 おそらく相手の予想では、この場面で買い手であるフリンズが怒りを露わにするというものだったのだろう。だからこそ逆に褒められたとき、相手は非常に驚いた様子を見せた。数分後には、フリンズの称賛をすっかり受け入れ、手にした金と、いつかどこかで名を上げられるという自信を胸に、冒険の旅へと踏み出していった。先ほどまで話していた——「この宝石をご存じですか?以前に見たことがありますか?」「その貴族のことですが、我が家の記録にはあまり書かれていません。お話しいただけますか?」といった問いは、冒険者の頭から消え去っていた。 宝石にまつわる話は長く、淡々としたものだ。正直、耳を傾ける必要はない。それにフリンズは今日、他の話題など求めていなかった。久方ぶりに手に入れた宝石を、ただ静かに心ゆくまで眺めていたい——それだけだった。 * 好感度Lv.2後に解放 |
キャラクターストーリー2 | 扉の外にイルーガが立っていた。 フリンズは水を二杯注ぎ、さらに水差しを一つ持ってきた。イルーガは興味深そうに彼を見つめている。 「二杯…全部、僕の分ですか?」 「親愛なるイルーガ坊ちゃまがこうして遠路はるばるお越しくださったんですから、水を二杯飲むのも自然なことではありませんか?三杯でも四杯でも結構ですよ。水差しにはまだたっぷりありますから」 イルーガは「君は飲まないの?」と尋ねた。 「ええ、喉が渇いていませんから」 イルーガは当然のように、その話題を続けた。「君はめったに喉が渇くことがないし、お酒を飲むのも楽しむというより礼儀って感じですよね。まさか、ただの味気ない水を飲むのが好きだったりするんですか?」 もちろん違う、とフリンズは心の中で否定した。何よりも無味の水が一番嫌いなのだから。だが、それを顔に出すことはなく、二脚の椅子を灯台の前に運び、イルーガと共に日向ぼっこを始めた。 「先月、同僚たちに聞かれたんです。君は太陽が苦手なのか、夜しか活動していないように見えると。それから、最後に義父さんと連絡を取ったのはいつだとも。どうしてみんな、君がここに来ていることを話に聞くのに、誰も会ったことがないのか。いつの間にか訪れ、いつもそっと去ってしまう」 「ご覧の通り、僕は灯台の入り口に腰をかけて、ただ何もせずに過ごしています」フリンズは灯台の中を一瞥して続ける——「そんなに早く飲み干してしまうとは、どうやら僕のもてなしが足りなかったようですね。いっそバケツを渡すべきだったかもしれません」 「長旅は大変でしたから、君の言う通りでした。それに僕がこまめに来ないと、ここはあまりに人の気配がなくなってしまうでしょう?あと、僕たちも君に任務の情報を共有する必要があります」 「その言葉の意味は、口にしたままのものではありませんね。あなたが言う『僕たち』も、必ずしも実在するとは限らない。数々の疑問——それは結局、あなた自身が尋ねたいことなのではありませんか?…そうでしょう、坊ちゃま?」 「…その通りです。じゃあついでに聞かせてもらいますけど、どうして僕のことを坊ちゃまって呼ぶんですか?」 「あなたは聡く有能、しかも問いを遠回しに投げかけるすべも心得ている。好奇心を、相手を不快にさせない程度に礼をもって適切に包み込める。まるで貴族のような社交の才です。だからこそ、坊ちゃまと呼ばせていただいています」 「坊ちゃまがそうなら、旦那様って呼ばれるのはどんな人なんです?それから、この前途中で終わってしまった貴族の話をぜひ聞かせてもらえませんか?」 「いいでしょう。前にもお話しした通り、スネージナヤがツァーリ・ベールイによって統べられていた時代、貴族たちは舞踏会やパーティーに耽溺しておりました。その頃は、社交に秀でた者が重宝されたものです。こうした集まりは、見聞を広める場であると同時に、宝飾品や美酒の取引を交わす絶好の機会でもありました。そして舞踏会の片隅には、決して踊ろうとせず、ただ座っているだけの方が必ずいました…恐らく、優れた品を受け取るために来ていたのでしょう。そうした者たちの中に、『旦那様』と呼ばれる方々がいたのです」 「君の言う社交の場って、まるで骨董市みたいですね?」 「それもいいではありませんか。顔ぶれはいつも同じ、友人との仲は古く、踊る相手も馴染みある方。骨董品も同じです。宝物を手に入れるのに、必ずしも盛大な場は必要ありません。誰が何杯で酔うか賭けて、当たれば品が手に入るんです」 「どんな賞品があったんです?」 「さあ。人は結局、自分の望むものしか目に映らないものですから、皆それぞれ違う賞品について話すんです。ただ、昨日ある人がこう言っていました。彼の祖先は、遠い昔にスネージナヤのパーティーに参加したことがあったそうです。そこで、パーティーに興味のないフェイの貴族の旦那と賭けをしました。賭けの内容は、ある踊り子が五杯以内に酔い潰れるか否かというもの。結果、彼の祖先は勝ち、聡明な者を好む貴族の旦那は一粒の宝石を渡したそうです」 そう言いながら、フリンズはイルーガに手のひらを開く。そこにはアイスブルーの宝石がきらめいていた。 「…たぶん、つい最近手に入れたものなんでしょうね」 「素晴らしい品でしょう?」 「僕の考えすぎだと思ってくれていいんですけど、どうも君のそういう話って、いつか骨董品を転売するときのための準備に聞こえるんですよね」 「まさか。たとえ僕たちの組織の経済状況が厳しかったとしても、これを売ってお金に換えることはありません。それに坊ちゃまの目に、この宝石が必ずしも高価なものとして映るとは限らないでしょう」 「もしそれが本当に高価なものなら、どうしてその貴族は人に贈ったんです?それともスネージナヤのフェイの貴族はよほど高潔で、賭けに負けたら潔く従うものなんでしょうか?」 「どうでしょう。ですが、約束を守る勇気を持つ貴族なら、どんな時であっても悪い者にならないでしょう」そう言って、フリンズは扉の向こうを指さした。「バケツを持って来ましょうか。坊ちゃま、まるで喉の渇きに苦しむ亡霊みたいですよ」 * 好感度Lv.3後に解放 |
キャラクターストーリー3 | もし誰かが好奇心に駆られてこの一部始終を見ていたなら、きっとこう思ったに違いない——フリンズの言っていることは本当なのか?答えはノーだ。だが同時に、彼が嘘をついているのかと問われれば、それも違う。彼の物語は嘘というよりも、むしろ控えめに語られた伝説と呼ぶべきものだ。そして、その伝説に登場する主人公が——たとえ不思議に満ちていようと偉大であろうと——必ずしも名を残すとは限らない。 ツァーリ・ベールイの時代を振り返り、あのパーティーに焦点を当ててみよう。パーティーに興味を示さず、最後には賭けに敗れたという口実で他人に宝石を渡したフェイの貴族——キリル・チュードミロヴィッチ・フリンズ。その宝石を受け取ったのは、スネージナヤ南部出身のソコロフ姓を持つ、無名の人物であった。長い年月を経て、その子孫は冒険者協会のメンバーとなった。その無関係に思える二者の間で、唯一の接点となったのが「北の涙」である。伝承によれば、それはスネージナヤの軍人が北方で示した勇気から生まれ、持つ者を守る力を秘めているという。キリルはツァーリが多くの貴族に恩賜を与えていた時代にそれを手に入れた。後にそれを手放すと同時に、彼もまた消息を絶った。 その地で語り継がれる話では、姿を消した貴族——蒼炎のキリルは元々氷原で亡き魂を導く、一筋の青い炎だったという。ただ火はいつか必ず燃え尽きるもの。ツァーリ・ベールイが氷の女皇に即位した頃にはまだ宮廷にいたが、長く留まることはなかった。彼が去った理由については、いくつかの憶測が語られている。皇帝への不満か、あるいは女皇への不満か、それとも口にしてはならない言葉を漏らし粛清されたのか。ある説では、キリルの消失は政局とは無関係で、ただ一筋の炎が寿命を迎えたことにより自然と燃え尽きただけとも言われている。この考えを支持する者はこう主張する——すべての物事を政局に結びつける必要はない。宮廷の内情など、誰に分かるというのか、と。 キリル・チュードミロヴィッチ・フリンズの家紋と姓は、今もなおスネージナヤの貴族名簿に残っている。彼は確かに宮廷に籍を置いていたが、従者を抱えることはなかった。やがて時代の移ろいと共に、スネージナヤの炎は完全に赤へと取って代わり、かつて青い炎を崇めていた地域も次第に衰微していった。人々は最終的に、まるで新政権を受け入れるかのように、赤い炎が氷原の隅々にまで燃え広がることを受け入れたのである。 これまでのキリルにまつわる話は、「ライトキーパー」 のフリンズも耳にしたことがある。彼はそれを称えて拍手し、伝説というものは常にどこか神秘的に語られるものであると褒めそやした。そしてまた、その興味深い逸話こそが古銭や宝石を集める動機の一つであると言った。フリンズは収蔵品を人に見せることを惜しまない。「ライトキーパー」のトップであるニキータも、実際にその収蔵庫を訪れ鑑賞する機会に恵まれたという。フリンズはしばしこう口にする——収集という趣味は、決してお金のかかるものではないと。人々が大金を要すると考えるのは、目に見えて高価な宝石にばかり意識を向けるからであり、世に知られる宝石などほんの一握りにすぎないという。大半の宝石は高値で取引されないそうだ。 例えば、物語に登場する「北の涙」は今、偶然にもフリンズの手元にある。透き通って美しい石ではあるが、付加価値に乏しく、より伝説性を帯びた宝石には遠く及ばなかった。かつてそれを受け取ったソコロフも、売却を考えたことはあったものの、思うような値はつかなかったという。結局、その宝石は何代にもわたって受け継がれ、ようやくまともな値段で手放されることとなったのだ。 物語の中で幾度も言及されるキリルについてだが、もし本当にそのような貴族が存在したのなら、おおかたスネージナヤの政変に不満を持って去ったのだろう。彼がその後どこへ向かったかは、世間の人々にとって取るに足らぬことであった。当時のスネージナヤ人の心の中で、絶対に欠かせない人物はツァーリと女皇のみ。もしキリルが誰かと政治的な観点ですれ違いを起こしていたのなら、早々に姿を消すことこそが最善の策だったに違いない。 * 好感度Lv.4後に解放 |
キャラクターストーリー4 | 夜の見張りの時間帯は、いつもより緩やかに流れていく。拠点に残る「ライトキーパー」たちは手持無沙汰になり、次第にチェスやカードで時間を潰すのに慣れていった。ある日、フリンズが隊長に報告書を提出しに向かう途中、眠らずに集まっていた数人の隊員たちのそばを通りかかり、その様子に興味を惹かれて足を止めた。一時間以上が経過した頃、ようやく同僚たちは暗がりに佇む人影に気づいた。ひとしきり驚きが収まると、ある者が「この灯台の看守はきっとカードが苦手なのだろう」と思い込み、しきりに一緒にやろうと誘い始めた。フリンズは、教養がありながらも不器用なカード初心者らしい振る舞いを忠実に演じる。最初は固辞したが、やがて席についた。その表情に浮かぶ好奇心と戸惑いは、あまりにも自然で、まるで見事な芝居の一幕を思わせるほどだった。 「ライトキーパー」たちは彼を誘って共に遊び始めたが、そこに手加減の意志は微塵もなかった。初心者が最初、何回か負けるのは当然の流れであったからだ。だがその夜、奇妙なことが起きた。初心者であろうと熟練者であろうと、誰ひとりとして適切な判断ができなくなっていたのだ。スコアは膠着し、決定打に欠けたまま、勝負はいつまでも続いた。 このフリンズというライトキーパーの同僚が、まさかここまで長く持ちこたえるとは誰も予想していなかった。熟練者たちは眉をひそめ、ついにはそっとフリンズの背後に回り込み、手札を覗こうとした。だがその時でさえ、フリンズは誠実そうな表情を微塵も崩さず、「相手の戦術を観察するのが大事なのは、カードにおいても同じです」などと褒め、あえてそれほど強くない二枚のカードを出した。 やがて、同僚たちがようやく安堵の息を漏らした——彼が負けたのだ。相手がオラヴィなら負けるのも不思議ではない。だが、それまでの彼のカードさばきは実に悪くなかった。ひょっとすると初心者ではないのかもしれない。毎日、カエルや小石、そして灯台のそばを漂う亡霊たちを相手に、カードで遊んでいるのではないだろうか? フリンズは立ち上がり、握手をしようと手を伸ばす。その申し訳なさそうな表情は作り物には見えなかった。「オラヴィさん、僕の完敗です。あなたの腕前は素晴らしい。たった1ゲームとはいえ、その気概と風格が十分に伝わってきました。初心者の僕にお付き合いいただき、ありがとうございます」 オラヴィは本心であるかを疑いつつも嬉しそうに歩み寄り、その手を握った。「勝つのは簡単じゃなかったぞ。ずいぶん運が良かったな」 「運が悪かったら、とっくに命を落としていたでしょう」とフリンズは漏らす。その言葉に秘められた悲しみに、誰も触れようとはしなかった。あの苛烈な戦いを思い起こした彼らは、夜ごと戦友の死をひとり胸の内で悼んでいるであろうフリンズの肩をそっと叩いた。 「なあ、このカードを持ってけよ。お前の席はいつでも空けとくから、暇があったら遊びに来てくれ」と同僚たちは言った。 「あまり僕には向いていないかもしれませんが…」フリンズはそう言いながらも、微笑んでカードを受け取った。 その夜、彼は長く滞在した。翌朝、空が淡い桃色に染まり始める。オラヴィがフリンズを見送ろうとしたところ、ちょうど任務を終えて拠点に戻ってきたニキータとイルーガに出会った。フリンズはランプを手に彼らの傍に立ち、軽く会釈して敬意を示した。 ニキータはオラヴィを見ると、察したように「カードをやっていたのか?」と聞く。 「ええ、少し楽しませていただきました。皆さんからカードのセットまでいただいたんです。イルーガもどうですか?」 「今度、灯台に行ったら一緒にやりましょう」とイルーガは微笑んで言った。「義父さんがさっきちょうど、君をずいぶん見てないって言ってましたよ」 ニキータはふいに「何か収穫はあったか?」と尋ねた。横にいたイルーガは、それが突拍子もない、けど妙に面白い質問だと思った。カードで何が分かるというのか?オラヴィがサボってたこと?彼からすると、後ろめたいことを決してしないフリンズは、妖魔よりも不思議な存在だった。カードを一度も遊んだことがないライトキーパーなど、どこにいるというのだろう? フリンズは手にしたランタンを掲げ、青い炎がオラヴィの顔を照らした。その瞬間、オラヴィの胸にふとした違和感が芽生える。フリンズのランプの火はいつも冷たい青色をしている。だが考えてみれば、他の人が彼と同じランプを買ったところを見たことがない。いったい、フリンズはどんな燃料を使っているのだろうか? 「オラヴィさんは、おそらく最も忍耐強く、落ち着きのある紳士でしょう。カードを出すのが遅くてもまったく気にされなかった。その様子から推し測るに、きっと任務をこなすのも得意な方なんでしょう。静かに構え、着実に勝利を掴む…そうした資質は、決してカードの勝負に限って現れるものではありません」 フリンズは本心からそう思っていた。人の長所を見抜くことに、これほど長けた人物がいるだろうか——オラヴィは深く感動した。 ニキータは真剣な眼差しでオラヴィを見た。オラヴィの記憶では、最後にこうして向き合って言葉を交わしたのは、仕事の配分について話したときが最後だった。そのときニキータは彼に、小隊の隊長を務めてみないかと勧めていた。 「オラヴィ、たった1ゲームしか戦ってない人だってそう言うんだ。私の判断を信じてくれてもいいんじゃないか?」 多くの人が同じことについて話すと、場はどこか滑稽になるものだ。親しい者同士は互いを知りすぎていて、相手の助言を素直に受け入れようとしない。だが、そこに少し距離のある人物が一人でも加われば、不思議と物事はすんなり進むことがある。まさに今がそうだった。オラヴィの胸に、ふと自信が湧き上がってくる。ニキータの言う通り、自分が戦術の才に長けていてもおかしくはない。遠く離れた灯台にいるフリンズでさえ、それを見抜いたのだから。 数日後、ニキータは灯台を訪れた。今回の訪問は、フリンズに礼を伝えるためであった。オラヴィにはいつも最後の一歩を踏み出す勇気が欠けていたが、フリンズが見事な塩梅で敗北を演じたことで、その心に火が灯ったのだ。 「世話になった」ニキータは彼に物資を渡す。「受け取ってくれ。使わなくても、見せかけにはなる」 「見せかけるのが、思わず好きになってしまいそうですね」フリンズは同僚から貰ったカードを取り出して続けて言う——「ご興味はありますか?」 対戦は長引いた。ニキータは苦戦を強いられていたが、フリンズは明らかにゲームの時間を楽しんでいた。 「私の感謝の気持ちが伝わっただろうか。元貴族の君と得意なカードゲームを一緒にプレイしているんだから」とニキータは苦笑しながら言った。「勝つのと、わざと勝てないふりをするの、どっちが難しい?」 「どちらも普通の人を演じるよりはずっと簡単ですよ」フリンズはカードを出した。「すみません、また勝ってしまいました」 * 好感度Lv.5後に解放 |
キャラクターストーリー5 | キリル・チュードミロヴィッチ・フリンズという名は、響きも使い勝手もいい。キリルの部分を取れば、いかにも由緒を感じさせる貴族らしい印象を与え、フリンズの部分を取れば、古典味には欠けるがこれといった特別さがなく、たとえ同名の者がいたとしても、ただの偶然だと思われる。当人はこの名前に満足しており、今に至るまでさまざまな形で使い続けてきた。 貴族のキリルは、確かにスネージナヤを去った。知恵ある者たちは「日の下に新しきことなし」と言い、一人の貴族が政局を見限って自ら追放の身となるのも、古来から幾度となく繰り返されてきた出来事にすぎないと考えた。キリルは二度の生を受けた——そう言っても、決して大げさではないだろう。眠りを死とみなすならば、目覚めはすなわち新生である。それもまた、古来より繰り返されてきた出来事の一つだ。 キリルの眠りは、遥か遠い地の片隅で始まった。かつて自らに課した流刑は、皮肉にも彼に自由をもたらした。拠り所を失った彼は、線路に沿って南へと向かい、果てしない雪原を越え、賑わう街を通り抜け、人影の絶えた境の地を踏みしめた。何の憂いもなく——行く先も、成すべきこともなかった。 すれ違う人々は、彼とはまるで対照的であった。スネージナヤに後から入ってきた種族である彼らには、数十年という短い時間で叶えなければならない欲望が山のようにあった。彼らは常に足早に歩き、より良い暮らしを思い描き、新しい時代に偉業を築くことを夢見ていた。だがキリルは、こう思い始めていた——自分はもはや、そうした時代に属していないのではないかと。 遠い小島の灯台の下で、蒼炎のキリルは運命の墓を見つけた。そこは同時に、彼を満足させる寝床であり、心地よい棺でもあった。彼は自ら命を絶とうとしたわけではない。ただ、退屈な世界に気まぐれな一杯を捧げ、そのまま眠ろうとしたのだ。ふと、昔のパーティーの光景がよみがえった。同じ貴族たちが集まり、古めかしい議論に耽っていた頃を。当時、フェイたちの多くは皇帝の権力の移り変わりに深いため息を漏らし、その権力がスネージナヤで永遠に続くよう、不老の水が流れる川があればと願っていた。 彼らの口にする永生や永遠という言葉には、渇望と羨望が混じっていた。まるで人間がフェイの暮らしを語るかのように。キリルは、そのとき自分がどう答えたのか、もはや定かではなかった。だが、おそらくこう言ったに違いない——何も恐れることのない永遠の安らぎなど、この儚い生命の中にどうして訪れるというのでしょうか、と。 石の祭壇の上で、キリルはひと塊の炎となって地下へと沈み、数百年に及ぶ眠りに入った。まぶたを閉じる瞬間、ある思いがよぎった。もし二度と人間界に戻らず、その限られた時間の中で自身を無限に追放させ続けたとき、それこそが永遠の眠りになるのだろうと。こうして自らを追放した者は、かけがえのない永遠を見い出したのであった。 キリルの眠りは、決して戯れではなかった。彼は周到に準備を重ね、石板を選び、祭壇を築き、最古の儀式で自らを封じた。炎を呼び覚ます代償が軽いはずもなく、人の寄りつかないこの地なら邪魔される心配もない。だが、万全と思われたその安らぎ——死にも等しい眠りは、ある雨の夜の雷鳴の中で打ち砕かれることとなった。 血が地面に滴る微かな音、金属が肉を裂く鈍い音、鋭い爪が肉体を貫き、石板に触れて鳴る雑音…キリルは目を覚まさずにはいられなかった。数百年を経た今なお、その聴覚は鋭敏だったのだ。 「ライトキーパー」と呼ばれる部隊が、彼が眠る地の真上で、アビスから生じたワイルドハントの処理をしていた。だが、夢から覚めたばかりのキリルにとって、それは取るに足らない些事である。身を覆う炎を揺らすこともなかった。もしも人の姿を取っていたなら、まぶた一つ上げようともしなかっただろう。 スネージナヤの古い伝承には、まるでこの瞬間を嘲笑うかのようにこう語られているものがある——「古き凍土を彷徨う亡霊たちは、やがて青い炎に導かれ、彼方へと渡るのだ」。キリルには、目を閉じたままでもその光景がはっきり見えた。人間の温かい血が祭壇に染み込み、まるで壮大な古の祭祀のように映る。瀕死の重傷を負った戦士が祭壇に崩れ伏し、血に濡れた指先で石板の符号をなぞる。その戦士は、明らかにそこに記されたフェイ語を理解していなかった。死を目前にした者に、目の前の一縷の望みが真に救いとなるかどうかを確かめる余裕などあるはずもない。力尽きかけた彼は、最後に息を振り絞って祈りを捧げた。この声を聞くすべての存在に、ここへ降り立つよう乞い、黒雲のように押し寄せる絶望の死を拭い去ってほしいと懇願したのだ。 そのとき、キリルは確かに笑っていた。かつて貴族たちが抱いていた憂いは、ついに現実のものとなった。この世に、あれほど長く続く夢など存在しない。血と魂が代価となり、蒼炎は再び燃え上がった。それは本来なら壮麗にして輝かしい瞬間であるはずだ。だが、瀕死の祈り手はそれを知らず、迫り来る魔物も知らず、すでに命を落とした者たちも知る由はない。かつてこの炎を知っていた人々も、多くはすでに世を去っている。キリルが心の底から願った眠りは、この静寂なる死地において、無惨にも断ち切られてしまった。 島に、天を焦がすような炎が立ちのぼった。 有限の命に、安らぎが訪れるはずもない。青い炎をくぐり抜けて垣間見た死だけが、ただ一つの揺るぎない現実であった。 * 好感度Lv.6後に解放 |
「ボーンクラフト」 | 夜明かしの墓の灯台内には、保管室に改装された部屋が一つある。そこはライトキーパーの部隊に関する記録でほぼ埋め尽くされており、分厚い書類や文書が山のように並んでいた。しかし、壁一面に置かれた本棚の中、何の変哲もない資料箱に紛れるようにして、通常の記録とは明らかに異なるものが収められていた。 もし幸運にも持ち主の許しを得て、その箱を開けることができたならこんなものを目にできる——いささか異様で風変わりな収集品「ボーンクラフト」を。 その一つひとつは、フリンズが自らの手で彫り上げた縮小版の骨格である。用いられる素材は実に多岐にわたっていた。獣の牙や遺跡から拾い集めた古代生物の骨、そして稀に手に入る、徹底した消毒を施した魔物の硬い甲殻。 そうして組み上げられた完成品は、ナド・クライで彼が遭遇した、さまざまな姿の魔物たちであった。 フリンズにとって、これは単なる遊びではなく、戦いの後の整理と振り返りでもある。 ほぼ完成した模型を手に取り、ランプの下でゆっくりと回転させながら、まるで芸術品を鑑賞するかのように見つめる。一つひとつのパーツが、戦いの中のある瞬間への「解答」となっている。それらを組み上げることは、血生臭い遭遇戦を、秩序立った、読み解くことのできる優雅な戦術演習として脳内で再構築するに等しい行為だった。 模型が完璧に組み上がると、フリンズは満足げにそれを箱に収めて、日付と戦った相手の名を記したタグを貼り付ける。また一つの「問題」を完全に解き明かし、理解できたことにより、心地よい充足感が訪れる。 これがフリンズの「ボーンクラフト」だ。娯楽であると同時に、ワイルドハントを解明するための鋭い刃でもある。 * 好感度Lv.4後に解放 |
月の輪 | 若きライトキーパーのイルーガは、マスター・ライトキーパーであるニキータの命令を受け、ナシャタウンへと向かった。そこで彼を待っていたのは、謎めいた人物フリンズである。その暗く厳かな色の外套には、鮮やかな宝石があしらわれていた。ただその小さな場所において、宝石はあまりにも目立つ。イルーガの視線にまず入ったのもフリンズ本人ではなく、宝石であった。 「フリンズさん、君の貯金額は想像以上のようですね。そうでもなければ、そんな素晴らしい宝石を手に入れられるとは思えません」 「これですか?オークションで落札したものです。ただ見た目が良いだけですよ。以前お話ししたことを覚えていますか?宝石の中には美しいだけで、高値がつかないものもあるんです」 「他の人と競り合わなかったんですか?」 「そうですね…幸いなことに、価値を見抜けない者が大半でしたから。でなければ、僕がわざわざオークションに足を運ぶ理由もありませんよ」 「それでも貯金がたんまりありそうですけど。もしかして、どこか遠い親戚から大金をもらってたり?」 フリンズの表情が一変して、真剣なものになった。「イルーガ坊ちゃま、どうかそのことはご内密に。決して他言しないようにしてください、特に同僚たちには」 イルーガは根っからの善良さを持ち、同僚の秘密を守れることを誇りに思ったため、ためらうことなく約束した。しかし数ヶ月後、イルーガは困惑していた。騙されたことに気づいたのだ。街のオークション会場の者によれば、彼が説明した宝石など見たこともなく、フリンズ自身も、長らくそこに姿を現していなかったのである。 「フリンズさん、騙したんですね?ここ最近、質の良い宝石なんてオークションに出てないって聞きましたよ」 フリンズは水差しを手に取ってコップに注ぐ。「これでも飲んで落ち着いてください。まさか聞きに行かれるとは」 「僕を友達として見てるのか、そうじゃないのか。…秘密って言ってたけど、全部嘘だったんですね?」 「もしや宝石が欲しいのですか?であれば、遠い親戚のところにまだあるかもしれません」 「義父さんに、ちょっとしたプレゼントがしたいんです。小さい頃からずっと、僕の面倒を見てくれたので」とイルーガは正直に打ち明けた。 「それには少し時間がかかるかもしれません。ですが、遅かれ早かれあなたも同じように素晴らしいものを手に入れるでしょう。遠い親戚というのは、思いがけず巡ってくるものですからね」 水の入ったコップと夜の月光を前にして、フリンズは珍しく「月の輪」を手に入れたときのことを語り始めた——ごくありふれた夜のこと、それは突如としてフリンズの保管室に現れた。最初はフリンズも、イルーガと同じようにただの宝石だと思い、自分が忘れているだけの品だと考えた。だが実際は、世界が彼に贈った最高の贈り物であった。 「思いがけない贈り物」は、彼の外套によく映える意匠で、力と炎の存在を正当化する格好の口実にもなった。夕陽が沈む頃にはもう、同僚たちに披露する話題となっていた。 イルーガがフリンズの言葉を信じるかどうか、そして自分だけの「宝石」をいつ手に入れるのか…その答えは、この希望に満ちた若者自身が、ゆっくりと考えて見つけることだろう。 * 好感度Lv.6後に解放 |
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come home na bro before