稲葉藤三郎久蔵 絶筆

稲葉藤三郎久蔵 絶筆
稲葉藤三郎久蔵 絶筆Name稲葉藤三郎久蔵 絶筆
Type (Ingame)任務アイテム
FamilyNon-Codex Series, Non-Codex Lore Item
RarityRaritystr
Description文字で埋められた手紙。筆者は行方不明。

Item Story

このような文を残すことを、どうかお許しください。
人生五十年。藤三郎も三十余りを生きました。残りの十数年はこの身に余る故、どうかその分、父上、母上が長寿なさるよう祈っております。
静子よ、どうか怒りも悲しみもなさるな。藤三郎は許せぬ罪を犯した。不甲斐ない夫をどうか忘れてください。
正則、お松、父を許しておくれ。
友人各位に出会えたことを、幸運だと思っております。
申し訳ございません。
藤三郎は武人故、文に長けておらず。しかし別れを告げるにあたり、筆が止まらなくなりました。
この文を読まれる方、どうか長文をお許しください。

十数年前、軍に入ったばかりの頃、藤三郎は大御所殿下に憧れ、百千年前の数々の大義ある戦に憧れ、いずれ自分も真なる「永遠」のために身を捧げることを夢見ていた。
今思い返せば、若い頃は過去の伝説と現実を結びがちだった。大御所殿下のような完璧な英雄になれると信じていた。
しかしいざ戦争になると、敵は魔神の眷属でもなければ、深淵から来る醜い化け物でもなかった。自分たちと何ら変わらぬ、人間だった。
昨日倒した敵が、「目狩り令」が下された日までは烏有亭で盃を交わしていた友かもしれない。今敵に討たれた戦友が、半刻前まで談笑していた相手かもしれない……
同族のはずなのに、和解の可能性を捨て、憎しみを振りかざして、やっと今日を生き残れる。
なんて残忍、なんて残酷だろう。
「大義ある戦」こそ、最大の業であろう。

暴言をお許しください。藤三郎は大御所殿下を恨んでなどおりません。
大御所殿下はおっしゃいました、戦争は「義」と「不義」に分かれると。
「不義」の戦は、「願い」が膨らみ、人心が乱れる故に起きる。
大御所殿下が「永遠」という大義のために「神の目」を回収することは、大昔に大蛇を斬ったことと同様、義のある行動である。
戦争で分不相応の思いを抱く者を排除し、あらゆる「不義」の可能性を終わらせることこそ、最も「大義ある戦」である。

しかしながら、戦争とは残酷なものだ。誰かがその責を負わねばならない。
藤三郎はこれ以上忠義を尽くせそうにありません。この身を持って、大御所殿下のために、一つ業を背負わせて頂きます。
大御所殿下の永遠なる世が一刻も早く実現するよう、祈っております。

稲葉藤三郎久蔵、伏して謝罪致します。

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